Hyfaxのこと(3)

前回boot0.asmを作ったわけですが、次のboot1.asmを作るにあたって用意しておくと多少楽になって整理がしやすい数値群があります。今回はboot0.asm側であらかじめそういった数値を用意しておこうと思います。

用意するのは
BOOT_DRIVE
VBR_START_LBA
ROOT_ENT_CNT
FAT_START_LBA
DIR_START_LBA
CLUS_SIZ
DATA_START_LBA
です。

それぞれ少し説明しますね。

BOOT_DRIVE

Bootされたドライブの値です。boot0.asm実行時にdlレジスタに渡されてきます。boot0.asmでしか拾えない値なので、保存して使いまわします。

VBR_START_LBA

文字通りVBRが開始されるLBAです。これはMBRのパーテションテーブルの中にしかないので、これまた保存して使いまわします。

ROOT_ENT_CNT

ルートディレクトリの中にいくつエントリが入るかを示します。FAT16ではROOTディレクトリがサイズ固定なので、この数値を見て最大値を算出します。BPBと呼ばれる領域に設定されています。

FAT_START_LBA

文字通りFATが解されるLBAです。計算で出します。VBR開始後、リザーブされた領域を挟んで、そのあとからFATが始まります。

FAT_START_LBA = VBR_START_LBA + BPB_FAT16.RsvdSecCnt

となります。
余談ですが、MBRはMAX512Byte、パーテションテーブルを除くと446Byte「しか」取れません。必達です。ですがVBRの方はVBRの開始からFATの開始までの領域を使うことができます。VBR_START_LBA + BPB_FAT16.RsvdSecCnt分だけ余裕があるわけです。

DIR_START_LBA

ディレクトリ領域が開始されるLBAです。FATの後に位置し、計算で出します。FATは2個あるので、FAT開始LBAのあと、FAT領域を2つ分追加した後がこの値になります。

DIR_START_LBA = FAT_START_LBA + BPB_FAT16.FATSz16 * BPB_FAT16.NumFATs

CLUS_SIZ

クラスタの総バイト数です。標準では4セクタ=1クラスタ、512Byte=1セクタなので0x800Byteになるはずです。

CLUS_SIZ = BPB_FAT16.SecPerClus * BPB_FAT16.BytesPerSec

DATA_START_LBA

DIR_START_LBAにディレクトリエントリの分の領域を要した後がデータ開始LBAになります。

DATA_START_LBA = ROOT_ENT_CNT * 32 / BPB_FAT16.BytesPerSec

boot0.asmの修正

boot0.asmにデータ保存用のコードを入れていきます。主処理の間にチマチマ出てきてうっとうしいし見通しが悪くなるんですが、まぁ、しかたがないですね。で、修正したソースがこれ。

あと、定義ファイルも使用しています。これですね。

これでboot1.asmを作成する準備ができました。

次回こそはboot1.asmを公開したいと思います。

《2025/12/12 22:00:47》

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