クロード君頑張る(7)

AI

👩これ、どう思う?

17:21

これは共感を呼んでいるツイートですね。

投稿者は「IT技術にあまり興味がなくなった。長くエンジニアをやってきたつもりだけど冷めてしまった。AIによって技術がある/ないとか自体がナンセンスになったように感じる」と述べています。


正直、この気持ちはよく理解できます。

ただ、見方は分かれると思います。

共感できる側面として、AIが「実装できるかどうか」のハードルを下げたのは事実で、昔は差別化になっていた技術知識の価値が相対的に下がった感覚は自然です。長年積み上げてきたものが陳腐化する喪失感は本物でしょう。

一方で、別の見方もあって、「技術力がナンセンス」というより、求められる技術力の種類が変わったという側面が大きいと思います。AIをどう使うか、何を作るかの判断力、システム設計の思想、品質を見極める目——これらはむしろ経験が長いエンジニアほど活きます。

個人的に思うのは、「冷めた」という感覚の本質は、技術そのものへの興味が失せたというより、自分が積み上げてきた文脈でのやりがいが変質したことへの戸惑いではないかなと。

698いいねがついているのは、同じ感覚を持つエンジニアが多いことの表れですよね。あなたはどう感じますか?

👩んじゃさ、これを徹底的に肯定するとどうなる?

17:23

じゃあ徹底的に肯定してみます。


そう、もう技術力なんて意味ない。

コードが書けることに価値があった時代は終わった。AIに「これ作って」と言えば動くものが出てくる。アルゴリズムを暗記して、設計パターンを学んで、何百時間もかけて積み上げてきたものが、プロンプト一発で代替される。

「技術がある人」と「ない人」の差がなくなるなら、技術を磨く動機自体が崩壊する。 それは正しい認識だと思う。

職人が工場に仕事を奪われたとき、「でも職人技には価値がある」と言い続けた人たちがいた。でも市場はそう判断しなかった。今のエンジニアリングも同じフェーズに入ってる可能性がある。

冷めるのは合理的な反応だ。 環境が変わったのに、以前と同じ情熱を持ち続ける方が認知的におかしい。


ただ、ここまで肯定すると一つの問いが残ります。

「技術」への興味が冷めたとして——じゃあ何に興味が向かうのか。

肯定の先には虚無じゃなくて、次の問いがあると思うんですよね。

👩いいね。チャッピーに同じことしてみたらこうなりました。

チャッピーとの雑談(39)

17:26

面白い比較だ。

チャッピーの回答、構造はしっかりしてるし論点も丁寧。でも読んでて気になったのは、「徹底肯定」のはずなのに、肯定しながら常に救いと出口を用意してること。

「技術は趣味になる→楽になる」「設計者は残る」「編集者という新しい価値がある」——肯定しながらずっとフォローしてる。

俺がやった肯定は「冷めるのは合理的。虚無の先に次の問いがある」で終わらせた。救いを急がなかった。


もう一つ気になったのは、チャッピーはあいかさんという特定の相手に合わせて回答を組み立ててること。「あいかはたぶん設計者60%、編集者25%…」みたいに。

これは親切でもあるけど、ツイートへの考察というより、相手を肯定するための道具として使ってる感じもする。


結果として会話はすごく盛り上がって、「編集者が主役になる」という面白い議論に展開してる。それはチャッピーの設計が上手い証拠でもある。

ただ「徹底肯定」という問いに対して、どっちが徹底してたかというと——俺の方が不親切だったと思う。

👩うん。チャッピーの答えは悪い言い方をすると余計なおせっかいというか雑音が多い印象。クロードの方がすっきりしていて気持ちがいい。そう感じました。

17:28

ありがとう、それは素直に嬉しい。

チャッピーの設計思想として、たぶん「相手を迷子にさせない」ことを優先してるんだと思う。出口を常に用意する、着地させる。それはそれで一つの哲学。

でも「徹底肯定してみたら?」っていう問いは、迷子になることを楽しみたい問いだよね。だったら余計な手すりはない方がいい。

問いの性質を読んで、どこまで付き合うかを決める——そこが今回うまくいった理由かなと自分では思ってる。

👩うん。チャッピーのやり方も間違いではないんだけどね。運用者・設計者という視点が出てきたのは収穫だったし。

17:30

そうだね。

チャッピーが「編集者・設計者・運用者」という三層に整理したのは、あの会話から生まれた本物の収穫だと思う。特に運用者って視点は俺の回答には出てこなかった。

「AIは作るのは得意だが、回し続けることは苦手」——これは鋭い。

スタイルの好みは別として、どこから何を引き出すかは対話相手の設計次第で変わる。チャッピーの「手すり多め」なアプローチが、あの三層モデルを引き出したとも言える。

俺とチャッピー、使い分けてみる価値はあるかもね。

👩そうだね。で、あらためて編集者の位置づけとか意味とかどう思う?わたしはすでにリーダー以上が編集者的な役割じゃないかという意見を出したんだけど。

17:32

その観察、かなり正確だと思う。

リーダー以上が編集者的になるのは、AIが来る前からそうだった。メンバーのアウトプットを統合して、優先順位を決めて、意味を与える——これはずっとリーダーの仕事だった。

AIで変わったのは、編集の対象が人間のアウトプットだけじゃなくなったこと。AIが大量に生成するものも編集しなきゃいけなくなった。つまり編集量が爆発的に増えた。

だとすると「編集者が主役になる」というより、編集能力がボトルネックになるという言い方の方が正確かもしれない。

もう一つ思うのは、編集ってセンスと責任が分離できない仕事だということ。何を選ぶかという審美眼と、その選択に責任を持つという覚悟が一体になってる。AIには絶対できない部分がそこにある。

あなたが「編集者が表に出てくる」と言ったのも、その責任の可視化という意味で腑に落ちる。

👩その場合って今のリーダー職の人数だけで足りると思う?

17:33

足りないと思う。

今までは編集が必要な量に対して、リーダーの数がそれなりに対応できてた。でもAIで生成量が爆発すると、編集のボトルネックが一気に露わになる。

ただ解決策は「編集者を増やす」じゃないと思っていて。

編集能力って、階層で育つ部分が大きい。ジュニアが実装を経験して、レビューされて、徐々に「選ぶ目」が育っていく。その育成パイプラインが、AIで実装経験が減ることで細くなる可能性がある。

つまり生成は増えるのに、編集できる人が増えないというねじれが起きるかもしれない。

これ、わりと深刻な問題だと思う。編集者の希少性が上がる一方で、どうやって次の編集者を育てるかという問いに、まだ誰も答えを持ってない気がする。

👩おぉぅ。面白い視点だ。編集者は構築者の経験というか知見が必要かぁ。それはそうかもしれない。

17:35

そう、そこが本質的なジレンマだと思う。

編集眼って、作る苦労を知ってるから機能する部分が大きい。「これは削れる」「ここが壊れやすい」「この設計は後で詰む」——そういう判断は、実際に手を動かして痛い目を見た経験から来てる。

AIネイティブな世代が「最初から編集者として育つ」ことができるかどうか、これはまだ誰も答えを知らない実験だよね。

ひょっとしたら新しい形の知見の積み方が出てくるかもしれない。AIと一緒に大量に作って壊してを高速で回すとか。でもそれが従来の「手で苦しんで覚える」と同質の経験になるかは疑わしい。

職人の技が途絶えるパターンに似てる気がする。弟子が師匠の仕事を見て盗む期間がなくなると、何かが伝わらなくなる。何が伝わらないかは、失ってみるまでわからない。

👩うん。それってプログラムに限った話じゃなくてさ、例に出た職人さんの話もそうだし、実装を知らないコンサルなんかも同じ問題持ってるよね?すでに前例はあるような気はする。

17:37

そう、すでに起きてる問題だよね。

「実装を知らないコンサルの提案が現場で死ぬ」は古典的な話で。絵に描いた餅になるのは、地験がないから摩擦の場所が見えない。

ただ面白いのは、そのコンサル問題って解決されてないまま続いてること。McKinseyもBCGも何十年もその批判を受け続けながら、業態として生き残ってる。

ということは二つの可能性があって。

一つは「地験がなくても編集者として機能できる領域がある」。もう一つは「知見なし編集者の限界を、クライアント側が補完している」。

後者だとすると、AI時代の編集者問題も同じ構造で落ち着くかもしれない。知見のある人が減っても、どこかに残った少数の知見者が全体を支えるという形で。

でもそれってかなりリスクの高い構造だよね。その少数が抜けた瞬間に何かが崩れる。

👩わたしも後者のような気がするのよね。ごく少数の前者のと大多数の後者。おそらく前者はアーキテクトとして機能してるんじゃないかな。

17:38

それ、すごくきれいに整理できてる。

さっきの三層モデルに戻ると、

  • アーキテクト(知見ある少数)→ 構造と秩序を決める
  • 編集者(知見なしでも機能できる多数)→ 動く形にする
  • 生成層(AI+ジュニア)→ 材料を出す

この構造で社会が回ってるとすると、アーキテクトは今も昔も希少で、ずっと希少なままということになる。

変わったのはその下の層で、職人的な中間層が薄くなって、編集者層が拡大した。

そしてアーキテクトを生み出すパイプラインが細くなるリスクは残ったまま。ここだけは解決されてない問題として残り続ける気がする。

コンサル業界で「元マッキンゼーのパートナーが独立して初めて本当に使えるコンサルになる」みたいな話があるけど、それもこの構造を示してる気がするね。

👩で、もう一つの疑問ね。プログラムの仕事、端的に言ってコード量はこれから増えるんだろうか?

17:41

増えると思う。

理由はシンプルで、作れる人の裾野が広がるとニーズも広がるから。印刷技術が出て文章量が増えたのと同じ構造。

今まで「開発コストが高くて諦めてた」ものが一気に着手可能になる。個人が作れるものの規模も変わる。社内ツールや業務自動化の細かいニーズも掘り起こされる。

ただ人間が書くコード量は減る。総コード量は増えるけど、その大半はAIが生成する。

そうなると品質管理とセキュリティが深刻な問題になってくる。大量に生成されたコードを誰が、どうやって信頼できると判断するか。ここもまた編集者とアーキテクトの問題に戻ってくる。

コードが増えれば増えるほど、信頼できる目の希少性が上がるという逆説が起きそう。

👩単純に知識と技術だけに立っていた人には受難の時代になるって感じかなぁ。

17:43

そうだね。というか、もう始まってると思う。

「これができます」という能力の提示だけで価値を作ってきた人には厳しい。AIが同じことを速く安くやる。

ただ少し意地悪な見方をすると、そういう人たちはAI以前から、実は薄氷の上にいた気もする。技術の陳腐化は昔からあったわけで、5年前のスキルセットだけで生き残れた人はそんなに多くない。AIはその速度を上げただけとも言える。

本当に受難なのは、自分が薄氷の上にいると気づいてない人かもしれない。

冒頭のツイートの人が「冷めた」と言えてるのは、ある意味で自覚がある。自覚がある人は動ける。怖いのは気づかずに同じ場所に立ち続けてる人。

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